物品提供?記事広告?アゴアシ付き?明示できるなら明示して判断を読者にまかせてほしいなって

何をしてほしいかって? 物品提供ほかがひと目でわかるラベルを付けよう

家庭用品品質表示法という法律がある。身近なところでは、洋服に綿100%とか洗濯はドライでなどと書いてあるラベルの添付を法で強制しているアレだ。以下に消費者庁のドキュメントを抜粋する

「家庭用品の品質に関する表示の適正化を図る」ことによって、「一般消費者の利益を 保護すること」を目的としている。近年、家庭用品の種類が多様化し、特に技術革新により合成繊維、合成樹脂等の新製品も増え複雑化 している。そのため、一般消費者がこれを購入、使用する際にその品質が表示されていなければ、不利益な購入を余儀なくされたり不合理な使用を行わされたりするおそれが生じた。

下線強調は私が行なったが、つまるところは一般消費者がぱっと見てどんな組成になっているかわからないものが増え、消費者の不利益になるかもしれないよね、だからメーカーはちゃんと明記しなさいよという法律なわけだ。先週Webを賑わした謎の半導体メーカー….じゃなかった、タイトルにPRと入れろ派を相手取ったネット論壇のヒートアップは記憶に新しいが、記事広なんて当たり前中の当たり前で、もっと突っ込んだ「記事の品質表示」をするべきなんじゃないのと言いたいわけだ。

「AD」とか「PR」とか「提供:XX株式会社」とか「特別企画(制作協力)」とか、各社独自のわかりにくい表記で逃げるんじゃなくて、業界共通ラベルにして表記統一して一発で「ああ広告なのね」とぱっとわかるようにしてほしい。IT業界広告業界執筆業界以外の人たちのいったい何割が「特別企画(制作協力)」を記事広だと認識できるというのか…..。

言っておくが、記事広告が悪いわけでもないし、アゴアシや物品を提供されて書かれた記事だからといってバイアスの掛かったような記事を書くようなプロフェッショナル・ライターさんなんてほとんど居ないと信じている。少なくとも私がお世話になっているようなプロの方はみなそんなものに惑わされて記事の方向性を変えたりしない人ばかりのはず。

ただ、昨年のキュレーションメディア騒動ではないが、いわゆるプロのライターや記者以外の人も容易に記事を書いて誰にでも公開できてしまう時代になったわけで、こういうのは消費者側が声を荒げて記事公開側へと要求していくべきなのではないかと思った次第。

具体的にはどんなラベルにする?

まぁそういうのは業界団体でしっかり決めてもらえばいいんだが、Creative Commonsのライセンス表示のような共通規格があるといいなぁとは思う。まぁあれだ、洗濯マークと同じ。例えば以下のような風にまとめてしまえば4項目の簡単なラベル(Creative Commonsのやつをイメージ)にできちゃうわけ。

分類 内容 表記 案1 表記 案2 排他関係
提供 無償または市場価格を下回る価格での製品(又はサービス)提供があった S 提供 排他ではない
提供 記事広告(掲載記事に対する広告主からの費用支払有) P 広告 排他ではない
提供 交通費または宿泊費がx円を越える(或いは距離がy kmを越える)遠隔地で開催される体験会・展示会・発表会その他イベントへの記者出席に対し、本記事を掲載している法人ではないが、本記事にてベネフィットを受ける第三者(法人に限らない)が移動に伴う費用の過半を支払った I アシ
排他
提供 交通費または宿泊費がx円を越える(或いは距離がy kmを越える)遠隔地で開催される体験会・展示会・発表会その他イベントへの記者出席に対し、本記事を掲載している特定の法人が移動に伴う費用の過半を支払った M 社用
関係 本記事を掲載している特定の1法人が原稿執筆【前】に原稿料の支払いを内定した B 前払
排他
関係 本記事を掲載している特定の1法人が原稿執筆【後】に原稿料の支払いを内定した A 後払
関係 本記事を掲載している特定の1法人から原稿料が支払われていないか、又は極僅かである(文字数単価n円以下の場合もこれに含まれるが、執筆者が撮影し掲載された画像1点につきm文字と換算する) C 些少

 

うーん、わかりやすい。まぁ関係値は記事にどういうバイアスが乗っている可能性があるか? に直接ひびきにくいのでわかりにくいが、ここは深く知りたい時にあれば便利な項目ということで….。

日本語だと直接的すぎるって? まぁ別にアルファベット略称とかそういうのでもいいが….わかりにくいでしょ?w

 

スペースとりすぎって? 別に↓これぐらいでも十分見えるんでは。家庭用品品質表示法においてもブラジャー等においては省スペースな表示(列挙法)が許されており、省略表記を特定条件においては掛けるとかすりゃいいと思う。

 

こうやってみると、色々見えてきて記事の内容を深読みできるわけだ。

 

この、最後の「提供」「後払」なライターさんの記事だと明示されていれば、物品提供されているからの提灯記事なんでしょう、という感じには読み取りたくないという心理がはたらく。すぐ上のラベルで書いた記事広とは明らかに違うマインドで書かれたものなのだな、例え物品の提供は受けていたとしても! と読めるわけだ。記事広大いに結構、最近では楽しい記事広も増えてきている。

 

WOMJガイドラインをプロ・メディアでも

WOMJガイドラインにいいことが書いてある。『情報受信者の ‘正しく情報を知る権利’ を最大限に尊重し、その保護に努める』ってね。どうしてこれがプロフェッショナル・メディアにおいて適用されないんだろう? 適用されると情報受信者(つまり読者)の立場としてすごい幸せだよね、じゃぁプロフェッショナル・メディアの皆さんにこれをやって(適用して)くれよってお願いしていこうよと。そう思ってこのBlogエントリを書き出したというわけ。

受信者サイドとしてこういう問題提起がすごく面白いなと思ったのは、誰か(どこかの中堅・大手メディア)がこの活動に賛同して何らかラベリングをするようになってくれれば、ラベリングしていないメディアの記事が途端に胡散臭く感じてしまえるということ。ヤダと思って逃げていても、他メディアが賛同していくたびに逃げられなくなる針のむしろ感。もちろん胡散臭い=悪いことではないが、裏でどういったやり取りがあってこの記事が成り立っているのか? が見えないと、なんか隠してるよねーこのひとたち、という論調になっていってくれると、いち受信者としてはとっても嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

ん・・・・・どこまで真面目な話しかって? そりゃぁ週末の脳みその体操程度ですよw