Assetto Corsaは発売から6年を経てModderの力でまだ進化する

まずはこの動画をみてほしい

2014年に発売されたレーシングシミュレーター、アセット・コルサのちょう最新MOD、CustomShaderPatch0.1.63 preview build 32を使った夕方~夜前ぐらいの雨表現である。ぱっとサムネだけを見ると静止画レンダリング画像? と見紛うほどのクオリティ。キャプチャ解像度ミスって縦600pxしかないのだが、実際は4Kだろうが5Kだろうが、いくらでも解像度を上げることができる。以下に私の環境(5120*1200)でのスクリーンショットを貼っておくので、実際にこの解像度でぬるぬる動くのだ、というところを想像してほしい。ブログのデザイン的に16:9のサムネにしているが、Click(Tap)してもらえれば元解像度5120*1200の非圧縮画像を確認できるようにした。

はー。うつくしい。
車好きの人ならわかってもらえると思うが、ゲームをせずにこの雨に打たれる車とサーキットの縁石をぼーっと10分眺めてしまうほどの美しさがここにはある。

そして今日の本題、Modである。このMod(Add-onというべきか)は CustomShaderPatch。Assetto Corsaをより美しくするためのModなのだが、元となるAssetto Corsaは2014年と6年も前のレースシム(一般的な言葉でいうとレースゲームだが、個人的にはこれらは似て非なるもの)だ。

Assetto Corsaは雨表現がないレースシムだったはずなのだが、有志の手によって2020年の最新SIMだと言われても遜色ないレベルの雨表現を纏った作品として生まれ変わろうとしている。驚くべきことは、このCustomShaderPatchというModは無料で配布されているということだ。だが、この先行ビルド(Preview 32)を試すには、作者のパトロンになってコミュニティに入る必要がある。

ここでPetreonが出てくる。日本のネット界隈各所が….インスパイアされてローカライズした『パトロンになるためのPlatform』の大御所である。CustomShaderPatchの作者チーム (x4fab)のパトロンになれば、先行ビルドを楽しみつつDebugに協力できるというわけだ。100円でもいいけど、1,000円でもいいよ、というあたりが欧米プラットフォームらしくていい感じ。

PC向けのレースシムではModオッケー派とMod否定派に大きく分かれるが、発売後6年を経てこれほどまでのグラフィック&フィジックス(物理挙動)のUpdateがあるシムはそうそうない。もちろん、ModコミュニティはAssetto Corsaの本来の開発元であるKunosにとって素晴らしいことばかりではないのかもしれない。でも、Mod作者たちによって作品がどんどんUpdateされ、Kunosサイドとしては開発リソースを投入せずとも、新規ユーザがライセンスを買ってくれるのであれば、それはいいんじゃないか? という気もする。

このあたり、ModとPCゲームという長きにわたる難しい議論だろうけれども、いちレースシムユーザ、いちAssetto Corsaファンとしては、うまい形で取り込んでいってもらって、5年後も10年後もこういったコミュニティのかたちを楽しんでいきたいなと思う次第である。